
音楽チャートでYOASOBIというアーティスト名を見ない日はありません。
一体なぜYOASOBIがここまで人気になっているのか見ていきましょう!
本記事では、以下の方向けにご紹介していきます。
- 音楽を配信してバズらせたい方
- 音楽が好きな方
- YOASOBIが好きな方
YOASOBIとは
YOASOBIは、コンポーザーのAyase、ボーカルのikuraからなる「小説を音楽にするユニット」です。
小説投稿サイト「monogatary.com」にて実施されていたコンテスト「モノコン2019」の「ソニーミュージック賞」を受賞した小説を楽曲化するために結成されました。


ヒットの背景
SNSで積極的に情報を配信し、アーティストが一発撮りで届けるYouTube「THE FIRST TAKE」のコンテンツ「THE HOME TAKE」で「夜に駆ける」が2021年5月10日時点で1億回視聴されるという驚異的な再生回数となっています。
このようにYouTubeで着実に視聴されていましたが、人気に火がついたきっかけはショートムービーアプリの「TikTok」です。

コロナ禍でおうち時間が増えたこともあり、2020年春以降は歌詞に共感した曲やBGMに合う曲とともに、ライフスタイルを撮影してTikTokなどのSNSに投稿するユーザーが増えました。
TikTokやYouTubeに動画を投稿し、それをInstagramやTwitterでもシェアしてバズらせます。
このように、アーティストではなくユーザーが拡げる新しいヒットのパターンが顕在化しています。
さらに、注目すべきポイントは、「夜に駆ける」がヒットしたのがリリースされてから半年後というところです。
CDの販売を産業の主軸としていた今までの音楽業界では、作品をリリースした週に音楽チャートの上位に入り、それ以降は音楽チャートの順位が下がっていくのが普通でした。なので、リリースした半年後にチャート1位を取ることは異例でした。
音楽の聴かれ方、ヒットの生まれ方の変化について、Ayaseさんはこう考えています。
「今の時代は音楽との出会い方、聴かれ方が変わっていて、最初にCDを手に取る人はかなり少ないと思うんです。インターネットが入り口になってるという実感がすごくあります。」(Ayase)
引用元:https://signal.diamond.jp/articles/-/419
YOASOBIはCDをリリースする前に、2020年の紅白歌合戦に初出場しました。この結果が、最初にCDを手に取らず、インターネットを音楽の入り口にしている人が多いことを表していると思います。
「楽曲・MV・小説」3つの接触ポイント
YOASOBIの楽曲がこれだけ多くの人に口コミやTikTokといった二次創作をされるようになった要因の1つとして、楽曲・MV・小説などいくつもの表現形態があります。受け手にとっては、複数の接触ポイントがあることが大きいです。
「人に説明したくなるときって、いい曲であることに加えて、何か別の要素が必要だなと思うんです。YOASOBIにおいては、まず『原作の小説がある』というのが“布教”したくなる文言になっていると思います。『パッと曲を聴いたらこう感じたけど、小説を読んでみたらこういう意味でさ、一回小説読んで聴いてみな?』って人に言いやすいのかなって。原作の小説がまずあって、楽曲はそのストーリーを一度分解して音楽という形で再構築するというやり方をしているので、小説を見ることで補完される部分もあるし、音楽も聴いたからこそ小説を読んだときに新しい世界観や色味が見えてくることがあったりして。そうやって2個、3個と奥行きがある構造になっているところが、人にオススメしたくなるポイントになっているのではないかなと思います。」(Ayase)
引用元:https://signal.diamond.jp/articles/-/419
音楽に限らず、どんなものでも何かを広めようとしたとき、熱量のある口コミや二次創作が影響力を持つ今の時代において、「受け手に深く理解させる」というのは重要なポイントだと考えられます。
楽曲の原作はこちら↓
・夜に駆ける:小説「タナトスの誘惑」
・ハルジオン:小説「それでも、ハッピーエンド」
・怪物:小説「自分の胸に自分の耳を押し当てて」
・たぶん:小説「たぶん」
・優しい彗星:小説「獅子座流星群のままに」
・群青:漫画「ブルーピリオド」
・アンコール:小説「世界の終わりと、さよならのうた」
・あの夢をなぞって:小説「夢の雫と星の花」
・三原色:小説「RGB」
・もう少しだけ:小説「めぐる。」
・大正浪漫:小説「大正浪漫」
・ミスター:小説「『私だけの所有者』――はじめて人を好きになったときに読む物語」

音楽との出会いの変化
InstagramやTikTokなどのSNSで楽曲と出会い、そのあとにストリーミングサービスで視聴するという流れが一般的になっています。
SNSを上手く活用しているBTSについて知りたい方はこちらをチェック!
コロナ渦で人と人の接触機会が減ったことで、リアルな空間でプロモーションをすることが難しくなりました。その結果、インターネットに向き合う時間が以前より長くなったと思います。
さらに、音楽を聴くタイミングにも変化がありました。これまで、平日は朝と夕方から夜といった通勤・通学の時間帯に聴かれる傾向にありました。一方で、土日はあまり時間帯で変化はありませんでしたが、おうち時間が増えたことにより曜日や時間による変化がなくなりました。
最近よく聴かれるコンテンツ
Lo-Fi(ジャズを中心としたサンプリング、レコードノイズの音、意図的にヨレたリズムといった要素が特徴的な音楽)やチル系(比較的陽気でスローテンポな音楽)など、音楽に安らぎを求めるような傾向が強くなりました。
また、「作業用」と言われるような、勉強や仕事をしながら流しておけるLo-Fiなどのニーズが上がり、家にいながら楽しむためのプレイリストも増加しています。

YOASOBIの曲調
コンポーザーのAyaseさんは、ボカロPとして活動していたので、YOASOBIの楽曲にはボカロカルチャーが背景にあります。
YOASOBIの楽曲(特に「夜に駆ける」)は、ボーカルにオートチューンのような加工が比較的強めにかかっています。これによって人間らしさが少し失われ、ボーカロイドに似た声色に変化します。
さらに、リリースカットピアノと言われる残響音の少ないピアノの音色が特徴で、このような音を使って細かくリズムを刻むフレーズと、ダンサンブルなリズム、ジャズやR&Bにも通じるテンションコードを用いたコード進行を用いています。そうすることで、どことなくおしゃれなムードを持ちながら、躍動感のあるビートと細密な曲展開を併せ持ち、聴き手を飽きさせない聴き応えを生み出しています。
リリースカットピアノ
リリースカットピアノとは、残響が極端に短く設定されたもので、ボカロの流れを汲んだアーティストの楽曲にも多く使われます。
リリースカットピアノは最近のボカロ曲の象徴であると同時に、今流行りの音楽の特徴の1つでもあり、ボカロ方面でもポップス方面でも重要とされる物です。
YOASOBIの楽曲がここまで人気になっているのは、このような流行りの音を取り入れていることも理由の1つだと考えられます。
1番のサビの後に2番のAメロが来ない
Ayaseさんは、曲に合う形でその都度構成を考えています。もちろん、1番のAメロが気に入ったら同じメロディを2番のAメロを設けることもあります。
しかし、1番のAメロで一度聴いたメロディだから、2番のAメロでは別のメロディとして発展させたいという気持ちがあるそうです。
1つの楽曲の中で違ったリズムや展開があることで、多くの人を魅了しているのかもしれません。
最後に
今回は、YOASOBIが人気になっている理由を見ていきました。
YOASOBIのお二人がインタビューで「今の時代は音楽との出会い方の入り口がインターネットになってるという実感がすごくあります」と、おっしゃっていたように、音楽を多くの人に聴いてもらうには、聴き手がどのような形で音楽に触れ合うのかをしっかりと把握しないといけないということがわかりました。
流行りの音楽を取り入れるだけではなく、その時代の音楽事情を把握することによって、さらに楽曲をバズらせる手がかりになるのではないでしょうか。
最新曲の「ミスター」もチェックしてみてください!
最後までお読みいただきましてありがとうございます。次回もお楽しみにしていてください!
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