腸脳相関(ちょうのうそうかん)という言葉をご存知ですか?
文字通り、腸と脳は深い関係があるということです!
腸が良いと脳の働きも良くなり、活動を積極的に行えます。
反対に、腸が悪いと脳の働きも悪くなり、ストレスが溜まります。
このように、腸は人間の感情と深く密接しているため、「第二の脳」とも言われています。
今回は、そんな重要な腸を正常に保つ方法をテーマに記事にしました。
尚、本記事は以下の方にオススメしています。
①日頃ストレスに悩まされている方(イライラなど)
②物事に対してやる気が出ない方(ネガティブになってしまうことが多い方など)
③肌荒れに悩んでいる方(ニキビなど)
本記事を通して、小腸の働きを理解し、腸を元気にするために必要なことを理解して頂きます。
小腸の働き
小腸の働きは栄養分の吸収と輸送です。
小腸は長さ6メートルをこえる筋肉の管で、消化管の約80%を占めています。
小腸の粘膜層からは消化酵素(食べたものを血中に取り込める大きさにまで分解するために働く成分)が分泌されます。
小腸から分泌される消化酵素によって、たんぱく質をアミノ酸に分解するなど栄養素を作ります。
分解された栄養素は蠕動運動を繰り返し、移動させながら吸収していきます。
吸収の際、役に立つのが腸粘膜の表面にある絨毛(じゅうもう)です。
絨毛とは、小腸の管の内側にある「ひだ」のことで、ひだの中にリンパ管と毛細血管が通っています。
絨毛があることで栄養素をひだにぶつけ、吸収しやすくします。
反対に、もし絨毛がなく小腸内側がまっすぐな管だと消化された栄養素はすんなり通ってしまい、あまり吸収されないのが想像つきますね!
絨毛により吸収された栄養素は、リンパ管・毛細血管を通して全身へ輸送されます。

腸の働きは菌に左右される
腸内には、多種多様な細菌が生息しています。
数は1000兆個以上と言われており、それらのバランスが腸の働きの良し悪しに影響を及ぼします。
1000兆個の腸内細菌は、大きく「善玉菌、悪玉菌、日和見菌」の3つに大別されます。
①善玉菌
体に良い影響を及ぼします。
消化吸収の補助や免疫刺激など、健康維持や老化防止などへ影響があります。
(例)ビフィズス菌、乳酸菌
②悪玉菌
体に悪い影響を及ぼします。
脂質や動物性たんぱく質を好み、腸内で有害物質をつくり出します。
悪玉菌が増えると、便秘や下痢などお腹の調子が悪くなることもあります。
(例)ウェルシュ菌、大腸菌(毒性株)、ブドウ球菌
③日和見菌(ひよりみきん)
腸内の善玉菌・悪玉菌の、多い方に味方します。
善玉菌が優勢だと良い働きをしますが、悪玉菌が優勢になると悪い働きをします。
(例)連鎖球菌、大腸菌(無毒株)
腸内の菌におけるベストなバランスは、善玉菌20%、悪玉菌10%、日和見菌70%となっています。

しかし、そのバランスはストレスや生活習慣の乱れにより崩れやすく、ベストバランスを保つのは容易ではありません。
これはストレスなどにより、蠕動運動が抑制されてしまい、悪玉菌が増加するためです。
当然ながら悪玉菌が増加すると、小腸に様々な悪影響が生じます。
腸の不調から起こる症状
実際に、小腸が不調になると以下のような影響が起きます。
・便秘
・肌荒れ
・風邪を引きやすくなる
・イライラ
・体臭・口臭が臭くなる
肌荒れ
症状の中で、肌荒れに着目し、肌荒れまでのメカニズムを順を追って説明します。
(小腸の不調→便秘→肌荒れ)
理由は、3つあります!
①悪玉菌によって発生した腐敗物質が肌の刺激になる
仕組みは、
便秘により、本来は体外へ排出すべき便が腸の中に溜まると、便の腐敗が進み悪玉菌も増えていきます。
悪玉菌は腐敗物質を発生させて、それが絨毛から吸収されて血液を介して全身をめぐります。
そして汗や皮脂と一緒に腐敗物質も皮膚から体外へ出ていくため、腐敗物質が肌の刺激となります。
それにより、肌荒れが起こります。
②皮膚から腐敗物質を排出することにより、肌のターンオーバーが乱される
肌が生まれ変わることを「ターンオーバー」と呼びます。
皮膚は腸から発生した腐敗物質を早く体外へ排出しようとし、本来の皮膚の大切な役割である肌のターンオーバー(代謝)機能を低下させ、肌荒れが進む現象が起こります。
(※ターンオーバーの詳細に関しては、別記事で説明しています。↓)
③皮膚の老化に関わるAGEs(最終糖化産物)を発生させる
便秘で腸内の悪玉菌が増えると、体の血糖コントールが悪くなることがわかっています。
逆に言えば、血糖値コントロールができている人は善玉菌が腸内に多いと傾向があります。
便秘になると腸内の善玉菌が減り、悪玉菌が増えて血糖コントロールを不良にさせます。
血糖コントロールの不良により、血糖値が高くなると糖が増え過ぎてしまい、余分な糖とたんぱく質が結合され、AGEs(Advanced Glycation Endproducts=最終糖化産物)と呼ばれる物質を排出します。
このAGEsは本来のたんぱく質の働きを邪魔してしまいます。(肌はたんぱく質から作られています)
メカニズムは、AGEsには「架橋形成」といった性質があり、コラーゲンを強く結びつけてしまうため、肌の弾力性が減少して、シワ・たるみ・くすみの原因になります。↓

腸活
ここまでで、悪玉菌が身体に様々な悪影響を及ぼすことが明らかになりました。
では、悪玉菌の増加を抑制し、腸を常に正常な状態に保つにはどうしたらいいのか?
方法はシンプルです。善玉菌を増やせばいいのです。
具体的に、善玉菌を増やす方法をご紹介します。
①善玉菌を腸に入れる(プロバイオティスクの摂取)
②腸内で善玉菌を維持する(プレバイオティクスの摂取)
つまり、腸の状態を良くする(腸活)には、プロバイオティクスとプレバイオティクスの両方の摂取が重要なのです!
プロバイオティクスとプレバイオティクスについては、この後詳しく説明します!

プロバイオティクス
プロバイオティクスの役割は、善玉菌そのものを摂取することで、腸内の悪玉菌の増殖を抑え腸内環境を整えます。
仕組みは、善玉菌によって体内のpH値(ペーハー)を酸性にし、悪玉菌を抑制することから腸内環境を改善できます。
pH値とは、酸性・アルカリ性の度合い(強いor弱い)を測る数値です。
善玉菌は、pH5.5ぐらいの酸性で元気になるのに対して、悪玉菌は中性(pH7)で増殖しやすい

摂取方法
発酵食品:ヨーグルト、ぬか漬け、味噌、キムチ、納豆など等
最近では、サプリメントでの摂取が人気となっており、発酵食品が苦手な方でも簡単に摂取できます!
プレバイオティクス
プレバイオティクスの主な役割は、以下2つとなります。
①善玉菌をエサとして、もともと腸内にいる善玉菌を育てる役割。
②腸の蠕動運動を刺激し便通を促す役割。(悪玉菌が作り出した腐敗物質が便と一緒に排出されるため、腸内環境改善効果あり)
摂取方法は「水溶性食物繊維、不溶性食物繊維、オリゴ糖」の3種類に大別され、
①の役割は、オリゴ糖と水溶性食物繊維が果たします。
②の役割は、不溶性食物繊維が果たします。
※食物繊維は水溶性と不溶性の2種類あります。
オリゴ糖
善玉菌が増えることで、腸内は酸性に傾き、悪玉菌の増殖を抑えられるという好循環になります。
効果的な反面、糖の一種なので、摂取量には注意が必要です。
摂取方法
バナナ、ハチミツ、大豆、ゴボウ、玉ねぎ等
より効果的な摂取として、ヨーグルト(プロバイオティクス) ✖️ ハチミツ(プレバイオティクス)はおすすめです!
※シンバイオティクス:プロバイオティクスとプレバイオティクスの両方を摂取する腸活法

水溶性食物繊維
結論、役割は3つに大別されます。
①水分を保持する(便にうるおいを与え柔らかくする)
便のやわらかさを保ち、下痢を起こさず便量を増やし、便の通過時間を短縮させます。
②小腸で食物の消化吸収をおだやかにする (血糖値の上昇抑制)
水に溶けるとねばねばした性状になる特性を活かし、食べ物が胃から小腸への移動するのをゆっくりにさせます。
その結果、小腸で糖質などが分解吸収されるを穏やかにして、食後の血糖値が急に上がるのを抑えます。
③短鎖脂肪酸の生成
善玉菌によって水溶性食物繊維が分解され、腸内へ病原体が侵入するのを抑制します。
後程、詳しく説明します。
摂取方法
わかめ、ひじき、こんにゃく、納豆等
不溶性食物繊維
水分を含んで膨らみ、便の量を増やすことで腸を刺激し、蠕動運動を活発にします。
(便が大腸を通過する時間を短縮することで、排便がスムーズになります)
摂取方法
キャベツ、レタス、ほうれん草、タケノコ、エリンギ、納豆等
以上、食物繊維は健康のために重要な役割を果たしており、「第六の栄養素」と呼ばれています!
しかし、重要な栄養素であるのにも関わらず、現代人は食物繊維の摂取が不足しています。
必要摂取量は、成人で1日24g以上とされているのに対し、実際の摂取量は、20歳以上で1日に平均15.0g(75歳以上で1日に平均15.9g)しか摂取できていません。
最近では、各食物繊維のサプリメントもあるため、工夫しながら積極的に摂取していくことが大切です!
腸活応用編 :短鎖脂肪酸
短鎖脂肪酸とは、プロバイオティクスとプレバイオティクスの両摂取により腸内で生成される有効成分です。
短鎖脂肪酸の役割は以下2つに大別されます。
①善玉菌を育て、腸を正常に保つ。
②感染症予防の機能がある免疫グロブリンの生成
①善玉菌を育てる
短鎖脂肪酸は、善玉菌により水溶性食物繊維やオリゴ糖を発酵させ生成されます。
中でも、水溶性食物繊維は発酵されやすく短鎖脂肪酸が作られやすくなっています。
短鎖脂肪酸によって、腸内が弱酸性(pH5.5)になり、酸性に弱い有害菌(悪玉菌)の増殖が抑えられ、結果的に有用菌(善玉菌)が増加します。
②免疫グロブリン(lgA)の生成
生成された短鎖脂肪酸は、さらに感染症予防に効果的な「免疫グロブリンA(IgA)」を生成します。
言い換えると、免疫グロブリンは病原体に対する抗体のことです。
感染源となるウイルスや病原菌などは⼝や⿐から体内へ侵⼊するため、腸までの消化管は常に外敵の脅威にさらされています。
そのため、この外敵から体を守るために「免疫グロブリンA(IgA)」が必要とされています。

短鎖脂肪酸とlgAが生成されるまでの仕組み
図①:腸内細菌は、大腸まで届いた食物繊維を分解し「短鎖脂肪酸」を生成します。
図②:短鎖脂肪酸は腸管から吸収され、血中に移行して全身を巡り、その後様々な臓器に作用します。図③:大腸局所で産生された短鎖脂肪酸は、大腸のリンパ濾胞において免疫細胞に作用します。
図④:大腸内でのIgA産生を増強します。
図⑤⑥:産生されたIgAは腸管内に分泌されたり、血流に移行して全身を巡ります。
図⑦:図②で血中に移行した短鎖脂肪酸は小腸に移行します。
図⑧:小腸でのIgA産生も増強します。(産生量は、大腸で産生されるIgA量の数倍とされています)

結論、腸を保つには、短鎖脂肪酸が非常に重要となります。
そんな短鎖脂肪酸を生成するためにも、適切な腸活(プロバイオティクス+プレバイオティクス)を行うことが必要です。
まとめ
今回は、脳と密接に関係する腸について見ていきました。
腸が悪いと、ストレスだけでなく、肌荒れや風邪を引き起こす仕組みを明らかにしました。
日常に支障を来さないためにも、プロバイオティクスとプレバイオティクスを取り入れ腸を常に健康な状態に保つことがとても重要です!
最後までお読みいただきましてありがとうございます。次回も楽しみにしていてください!
エンディでは、皆様の日常が楽しくあるために様々な情報をお伝えしていきます。少しでも役に立ったと思っていただいた方は、下記のSNSなどに「いいね👍」「フォロー」「シェア」をしていただけたら嬉しいです!
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
コメント