私達が運動する際、必ず筋肉を使います。
当然その筋肉を動かすには細胞が必要です。
更には、細胞を動かすために、エネルギーを必要とします。
ではそのエネルギーは何からできているのでしょうか?
結論、「ATP」と言われるエネルギー物質からできています。
このATPが不足すると、細胞が動かせなくなり、細胞が腐敗してしまいます。
当然ながら、細胞が腐敗すると様々な悪影響が生じます。
例えば肌に着目すると、細胞が動かないことによって、コラーゲン、ヒアルロン酸が生成されません。
さらにターンオーバーの乱れなどもあり、悪影響ばかりです。
以上から、肌の美しさを維持するためには、まずATPの産生を安定にすることが基礎となります!!
本記事の対象者は全ての方向けです。
特に美容に興味がある方は、美肌の作る上での、「基礎を知る」を目的としてください🙇♂️
エネルギーとATPの関係性
ATPの正式名称は、「アデノシン三リン酸」と呼ばれます。
ATPの構造は、アデノシンという物質に、直列に3つのリン酸が結合した状態となります。

ATPでのリン酸どうしの結合のことを高エネルギーリン酸結合といい、結合部分に多くのエネルギーを貯蔵しています。
そして、結合が切れるときにエネルギーを放出する。
つまり、エネルギーが生成され、そのエネルギーが生命活動で利用されるのは、ATP⇆ADPの往復を通して行われるのです。

ミトコンドリア
ATP⇆ADPが行われる場所は、人間の細胞の中にある「ミトコンドリア」で行われます。
つまり、健康・美容を維持するには、ミトコンドリアの健康が最重要なのです。
そんなミトコンドリアの数は、人間の体に約3700兆個〜3京7000兆個存在しています。
人間の体には、約37兆個もの細胞でつくられており、ミトコンドリアはその1つ1つの細胞の中に数百〜数千個含まれています。
生憎、ミトコンドリアの数は、年齢と共に減少しています。
ミトコンドリアが減少した場合、ATP不足が不足してしまうため、日々増やすことが大切となります。
(増やす方法は、後述します)

ATPが生成されるまで
ATPが作られるのは、ミトコンドリアでADPにリン酸が結合されることで生成されると分かりました。
では、その結合はどんな過程を経て行われるのか見ていきます。
ATPが生成されるまでは、3段階の手順を踏み生成されます。
第1段階:解糖系(2ATP)
第2段階:TCA回路(2ATP)
最終段階:電子伝達系(34ATP)
合計38ATPが生成されます!
それでは、段階ごとに詳しく見ていきましょう!

解糖系
解糖系の代表的な役割は、グルコースをピルビン酸に変化させることです。
ピルビン酸は、ATP産生に必要な原料となります。
解糖系について詳しく見ていきます。
解糖系が行われる場所は、細胞の「細胞質基質」となります。
細胞質基質に取り込まれたグルコースは、そこで分解され以下3種類の物質に代謝されます。
・ピルビン酸
産生されたピルビン酸はクエン酸回路で利用されるため、次にミトコンドリアのマトリクスに移動されます。
・水素
グルコースからピルビン酸に代謝される過程で、NAD⁺(脱水素酵素)により、水素が4個抜かれます。
抜かれた水素は主に電子伝達系で利用されるため、次にミトコンドリアの内膜に移動されます。
また、酸素が足りていない場合は、抜かれた水素を利用して乳酸の生成材料ともなります。
・ATP
グルコースからピルビン酸に代謝される過程で、2ATPが産生されます。

次に、ピルビン酸から次の代謝(過程)については、酸素の有無により2パターンに区分される。
①酸素が足りている場合
ピルビン酸が酸素と反応してアセチルCoA(後述)に代謝される。
(クエン酸回路に持ち込まれる)
②酸素が足りていない場合
NAD⁺により抜きとった水素を再びピルビン酸へ戻し、ピルビン酸と結合して、乳酸となる。
(抜き取った水素を再利用する理由は、NAD⁺は希少性が高く、数が少なく変えがきかないため)
乳酸は、一般的には、疲労物質として公知されています。
しかし、乳酸は身体に対して、少量の場合はむしろプラスの影響となりますが、蓄積した場合はマイナスの影響をもたらします。
○少量の場合
乳酸は、血液にのり筋肉細胞間を移動します。
(糖の備蓄量は筋肉量に比例⇨太い瞬発系の速筋(白筋)で多く、細い持久系の遅筋(赤筋)で少ない)
持久筋(赤筋)に移動した乳酸は、必要に応じてピルビン酸に戻り、クエン酸回路の原料となり、エネルギーを作ります。
○蓄積した場合
乳酸は、蓄積すると筋肉を酸性化させてしまいます。
言い換えると、身体内のph値を低下(酸性)させます。
私たちの体はpH7.4(中性は7.0でプラスがアルカリ性、マイナスが酸性)に保たれています。
しかし、乳酸により、pH6.8を切った場合、筋収縮率の低下、血行不良(ドロドロ血液)による筋肉痛が起きるようになります。

以上、まとめとしては、解糖系では、大きく4つの物質が産生されます。
その4つとは、ピルビン酸・水素・2ATP・乳酸(酸素が欠如している場合)となります。
ピルビン酸と水素は、後述する電子伝達系でATPを生成するための原料となります。
TCA回路(クエン酸回路)
TCA回路の代表的な役割は、水素を産生することです。
ここで言う水素は、後述する電子伝達系でATPを生成するための原料です。
解糖系で産生した水素量は4個に対して、TCA回路では20個の水素が産生されます。

TCA回路が行われる場所は、細胞の「マトリクス」となります。

以下よりTCA回路とは一体どういうものなのかを、詳しく見ていきます↓
最初に、マトリクスでは解糖系で代謝されたピルビン酸が酸素と結合しTCA回路の起点となるアセチルCoAに代謝されます。
次に、アセチルCoAは水(H2O)と反応し、クエン酸に代謝されます。
次に、引き続き水と反応したり、NAD⁺(脱水素酵素)反応を繰り返し、オキサロ酢酸まで代謝されます。
最後に、オキサロ酢酸は、水とアセチルCoAと反応して、再びクエン酸に代謝されます。
以上、TCA回路では、アセチルCoAを起点として、クエン酸からオキサロ酢酸まで繰り返し生成され続けています。
一方、TCA回路の重要な点として、クエン酸⇨オキサロ酸に代謝される過程で、水素とATPが生成されるのです。
水素は、前述した通り、各代謝物に代謝される過程で、NAD⁺(脱水素酵素)反応から「NADH+H⁺」と「FADH2」と呼ばれる水素が抜かれます。
この水素達は合計40個あり、電子伝達系に運ばれます。
ATPは、α-ケトグルタル酸⇨コハク酸になる過程で、2ATPが生成されます。
補足点として、代謝される過程で、二酸化炭素(CO2)も生成されます。
ここで生成された二酸化炭素が、私達の呼吸に利用されています。

以上、まとめとして、TCA回路では、アセチルCoAを起点として、クエン酸からオキサロ酢酸まで繰り返し代謝され続けています。
この回路の中で、主に水素(40個)と2ATPが生成され、水素は電子伝達系に運ばれ、ATP生成の原料となります。
電子伝達系
電子伝達系の主な役割は、ATPの産生をすることです。
電子伝達系が、行われる場所はミトコンドリアの内膜にあるクリステです。

以下より電子伝達系とは一体どういうものなのかを、順を追って詳しく見ていきます↓
電子伝達系の構造は、4つの酵素複合体が埋め込まれていて、4つの内、3つの複合体内を電子が移動するとH+が膜間腔へと汲み出されます。
①複合体I、Ⅱ
最初に、解糖系とTCA回路で産生された水素(NADH2+)が複合体IとⅡにそれぞれ運ばれます。
複合体IとⅡ運ばれた水素は、酸化され、電子(e–)が放出されます。
一方、複合体Iでは、NADH2+が分解され、水素(H2)が膜間腔に放出されます。(複合体Ⅱは放出なし)
すると電子は、ユビキノン(電子を伝達する役割)に渡され、複合体Ⅲに運ばれます。
ユビキノンは電子を2個まで授受することができ、1個受け取るごとにH+を1つH2Oから奪って構造が変化します。
②複合体Ⅲ
複合体Ⅲに運ばれたユビキノンと電子は、分解されます。
すると、ユビキノンに含まれていた水素(H2)が膜間腔に放出されます。
すると電子は、シトクロムc(電子を運ぶ役割)に渡され、複合体Ⅳに運ばれます。
③複合体Ⅳ
複合体Ⅳに運ばれた水素は、膜間腔に放出され酸素と反応し、一部は水(H2O)となります。
ここまできて電子伝達が終了します。
④ATP合成
電子が電子伝達系内を移動する過程で、水素(H+)がマトリックスから膜間腔へと汲み出されることでATP合成の準備が整いました。
次に、複合体I、Ⅲ、Ⅳで膜間腔に放出された水素は、ATP合成酵素の間を通過します。
すると通過時に、ADPからATPが合成されます。

電子伝達系で合成されるATPの数は、34ATPとなります。
解糖系(2ATP)とTCA回路(2ATP)と比べ、電子伝達系はかなり多くにATPが産生されます!
以上、まとめとして、電子伝達系の主な役割はATPの産生となります。
ATP産生までの手順は、以下の通りです。
❶解糖系とTCA回路から運ばれた水素を利用して、電子に変えます。
❷その電子が、複合体Ⅳに運ばれるまでに水素が膜間腔に放出されます。
❸膜間腔に放出された水素がATP合成酵素の間を通過することで、ADPからATPの産生となります。
ATPを増やすには
ATPを増やすためには、結論「ミトコンドリアを増やすこと」が有効的です。
ミトコンドリアを増やす方法は、様々なありますが、今回以下3つご紹介します!
①運動や筋トレをすること
筋肉を動かしエネルギーを多く使うことで体にミトコンドリアを増やすように指令を出します。

②ファスティング
ファスティングをすると一時的にエネルギー源となるカロリーが少ない状態になります。
そうすると体は、これまでたくさんあったカロリーがなくなったことに驚き、今まで以上に効率よくエネルギーを作り出そうすることで、増加します。
③酸素水
ATPは、酸素を利用して生成するため、十分な酸素が必要となります。
ストレスや疲労を感じると、酸素を多く取り込むため、酸素切れになりやすくなります。
よって、呼吸以外で酸素を取り組むことができる、酸素水はおすすめです!
まとめ
今回は、主にATPについて解説しました。
本記事のまとめ
・ATPを生成するには、3段階ある(①解糖系 ②TCA回路 ③電子伝達系)
・ミトコンドリアを増やすには、例えば「運動すること、段食、酸素水の摂取」
以上、身体の美容細胞を働かせるには、ミトコンドリアで生成されるATPが必要であることが分かりました。
(美容細胞についても、別記事で紹介しているので是非チェックして見てください↓)
最後までお読み頂きありがとうございました。次回も楽しみにしていてください!
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